反面教師は、ここにいる

他人の失敗から学ぶ事。それが一番大事。

創作作品の登場人物は不幸なのか

 人が世に生を授かる(受ける)、という奇跡は生物学的に見れば普通のことかもしれません。だからこそ、自分の生きていくべき道(人生)について本気で悩み、苦悩しながらも「幸せ」に向けて日々精進しているのだと思います。

 

 現実世界に生まれてきたのならば出来ることはたくさんあります。やる気は出ないけれど、今後を考えて勉学に励もうとか、頑張りすぎたからここらでちょっと一休みしようとか。しかし、こうした考えが及ばない誕生の仕方もあるのではないでしょうか。

 

 それを切実に実感させられるものこそが、「ドキドキ文芸部」というPCゲームです。

 ゲーム内の過程や結末(ネタバレ)などは下記サイトをご確認ください。もし今後、プレイする可能性があるのであれば、控えるべきですし、この記事も読まぬほうが懸命です。

 

 創作作品の登場人物というのは製作者が全て行動を律しており、それによって一つ以上の物語が展開されます。その展開を私達が時に楽しく、時に悲しく見ている(感じている)のが常ですが、そもそも登場人物というのは果たしてそれを望んでいるのでしょうか。もし彼らが創作物上ではなく、現実世界に生を受けたならば、きっと私達と同様、幸せを望み生きていくに違いありません。でも彼らは私達を楽しませるためだけに、創作物上に誕生してしまったのです。

 極論ですが、創作物上であるため「命なんてものはない」とか「架空の人物だからどうでもいい」という感想は普通であり当たり前、当然です。しかしこれがもし、天国地獄のような別世界があり、そこで生まれ変わるための順番待ちをしているような場所で、「次の方は人間に生まれ変わります」だとか「受付番号2011375~2011963番の方々はヒヨコです」などと言った選別が行われているとしたら、きっと一番のハズレは「あなたは創作上の、存在しない人物に生まれ変わります。」と指名されることに違いありません。しかも「名前は未定です」とかだったら最悪。もう目も当てられません。だって生きてすらいないんですから。まぁこんな仕分先があった時点でどうかとは思いますけども。

 

 そんなことを考えながら、未プレイのゲームネタバレを楽しんでいました。

 良い子は真似しないように。