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憲法をご存知無いと?ならば読んでみよう ー第一章「天皇」ー

あらすじと導入

 前回は初回ということで、憲法のなんたるかについて記された前文について見ましたね。え?ご覧になっていないと?そうですかぁ…。じゃあリンク貼っておきますね(使命感

 

 ということで、今回は日本国憲法 第一章「天皇」について読んでいきたいと思います。この天皇の章は第1条~第8条で構成されています。意外に短いですね!

 

 

憲法って何?

 初回の記事に「日本国憲法 前文」を掲載しています。

 この前文は憲法制定の理由や趣旨が記載された、とっても重要(ここ重要)な要素が説かれていますので、ぜひ一度ご覧くださいまし。

※ご注意※

  • 掲載している憲法は、2019年7月31日時点での、電子政府の総合窓口「e-Gov」にて掲載されている内容を引用しております。

  • 記事作成者である私は、どこをどう見ても法律に詳しい人間ではないため、誤った解釈が含まれる恐れがあります。あまり鵜呑みにしないようご留意ください。

 

 

日本国憲法 第一章「天皇」」を読んでみる

 それでは本題へ。サクッと行っちゃいましょう。

第一条

 天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であつて、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く。

 GHQが恐れていた「天皇制の廃止による国民の暴動」を防ぐために、天皇についてしっかり明記されたものです。まぁGHQが明記しようとせずとも、当時(今は分からないですが)の国民の意思としては自ずとこういった認識でしたでしょうし、「当然っしょ」と済まされる内容だったのかもしれません。

 

第二条

 皇位は、世襲のものであつて、国会の議決した皇室典範の定めるところにより、これを継承する。

 世襲制度、と言うのでしょうか。皇室典範の存在については前々から存じていたのですが、内容まではつゆ知らず。調べてみると、普通に第~条形式でありました。

 皇室典範:e-Gov法令検索

  この中に皇族や摂政などの条項がありますので、天皇に関する事柄はこちらに定義されているようです。今回は憲法部分についての記事なので、深くは触れませんけども。気になる方はe-Govさんのリンクよりご覧くださいませ。

 

第三条

 天皇の国事に関するすべての行為には、内閣の助言と承認を必要とし、内閣が、その責任を負ふ。

 国事とは何ぞや、というお話ですが、これは後述する第六条、第七条に明記されています。これらを行うためには内閣も絡むのよ、という意味でしょうね。そして責任も内閣が負うこととなる。なんとも太っ腹だなぁ(違うか

 

第四条

 天皇は、この憲法の定める国事に関する行為のみを行ひ、国政に関する権能を有しない。

○2 天皇は、法律の定めるところにより、その国事に関する行為を委任することができる。

 件の戦争とか戦争とか、たぶん戦争とかについてGHQが牽制したのでしょうかね。私は戦後生まれなので、当時がどうなのかは文献等でしか確認出来ないですし、これが制定された当時の国民は、どういった心境だったのか気になるとことではあります。

 

第五条

 皇室典範の定めるところにより摂政を置くときは、摂政は、天皇の名でその国事に関する行為を行ふ。この場合には、前条第一項の規定を準用する。

 憲法で摂政の権能?権限?が明記されている、ということにちょっと驚きました。いや別に驚くようなことでも無いのでしょうけども。こういう条文って、個人的には「皇室典範」に記載あるものじゃないのかな、と思ったり思わなかったり。まぁ私は学者ではないので素人所見ですけどね。

 これは俗に言う「代理権」的なやつでしょうか。

 

第六条

 天皇は、国会の指名に基いて、内閣総理大臣を任命する。
○2 天皇は、内閣の指名に基いて、最高裁判所の長たる裁判官を任命する。

 先ほどの国事行為に関するものです。 

 三権分立ゆえ、任命は天皇が行っているのだと思われます。あれ、三権分立の残り一つなんでしたっけ。ちょっと詳しく。

 

 日本国憲法第6条 ‐ 通信用語の基礎知識

 通信用語の基礎知識さんのサイトに、第六条についての詳細が掲載されていました。

 天皇は特別な存在であり、国権の上に位置することを意味する条文である。

・国会(立法権)に基づき、内閣総理大臣(行政権)を、天皇の名において任命する。

・内閣(行政権)に基づき、最高裁判所の長(司法権)を任命する。

 日本の憲法は一般に三権分立で、三権は公平だとされているが、それは理想論であり、この条文からは、天皇>立法権>行政権>司法権、という地位の差が読み取れる。

 あれま、何たる事実。三権は分立であり公平である、というのは理想論であるとの的確なご指摘。確かにこの部分、どうにも違和感ありましたが…なるほど。こういう見方も出来るのですね。

 まさか天皇の条項で三権分立についての収穫があるとは思いませんでした(遠い目

 

第七条

 天皇は、内閣の助言と承認により、国民のために、左の国事に関する行為を行ふ。
一 憲法改正、法律、政令及び条約を公布すること。
二 国会を召集すること。
三 衆議院を解散すること。
四 国会議員の総選挙の施行を公示すること。
五 国務大臣及び法律の定めるその他の官吏の任免並びに全権委任状及び大使及び公使の信任状を認証すること。
六 大赦、特赦、減刑刑の執行の免除及び復権を認証すること。
七 栄典を授与すること。
八 批准書及び法律の定めるその他の外交文書を認証すること。
九 外国の大使及び公使を接受すること。
十 儀式を行ふこと。

 先生…長いです…。

 こちらも先述の国事行為についてですね。国会招集、衆議院解散、総選挙公示…外交文書の認証もなさっていると。てっきり内閣で全てチャチャッとやっているのかと思いましたが、それは私の不勉強ゆえの認識であって正確にはご覧の通り、国事行為だそうです。私の無知っぷりが公開処刑減刑を…ッ!

 

第八条

 皇室に財産を譲り渡し、又は皇室が、財産を譲り受け、若しくは賜与することは、国会の議決に基かなければならない。

 天皇の章、最後の条文です。

 とても…現実的な…条文ですね。というのも民法とかに明記されている(と思われる)財産譲渡とか授与とかは適用されないわけですから、こうして別途、定義しなければならないのでしょう。それ以前にこの条文も皇室典範ではなく、憲法に盛り込まれるというのは、何かしらの意図でもあるのでしょうか。うぅむ…。

 

 

日本国憲法 第一章「天皇」 の感想

 ということで天皇の章を読んできましたが…いかがでしょうか。

 「知らなければ日常生活に支障がある」ものは無かったわけですが、なぜか三権分立を掘り下げるなど意外な事実が発見でき、なかなか興味深いものでしたね。

 

 

  さて、次回は第二章「戦争の放棄」を見ていきます。条文が一つしかないですけど…とても大事で大切であって、それでいて改正とか物議醸している条文ですね。どうなるのでしょうか(遠い目

 それでは次回、日曜日にお会いしましょう。

 

 

 

 

 

 

 

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