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死刑について考える「判決基準と憲法36条の解釈」

 世間を騒がせるような暗いニュースが、今日では多く報道されています。テレビをつけ、何か暇つぶしできるような番組が無いかと漁るも、特に昼間は何かしらの事件ばかり。こんなんじゃ、気も滅入ってしまいます。

 

 しかしながら、そういった事柄に関心を持たなければいけないのも確か。ということで、本日は他国から非難され、国内でも反対意見が多くでている「死刑制度」についてちょっぴり調べてみました。

 

 本日の冒頭の導入は、我ながらビシッと決まったな、と自負しております(ドヤァ

 こんなこと書くから締まらないのだといい加減…

 

 

死刑制度の判決基準

 さて、まずは死刑制度の判決基準をご紹介。

 弁護士ドットコムニュースさんに詳細が掲載されていました。

 死刑の判断をする際の基準として「永山基準」を適用し、考慮される。

 『永山基準』とは、1968年に起きた永山事件の最高裁判決(1983年7月8日言渡)で示された基準です。
 この永山事件における最高裁判決は、死刑を『誠にやむをえない場合における究極の刑罰』と位置づけ、合憲としました。一方で、『その適用は慎重に行われなければならない』と述べ、次の9つのポイントを挙げています。
※詳細は「死刑判決」を出すべきか――裁判所が判断の目安にしている「永山基準」ってなに? - 弁護士ドットコムに掲載されています。

 そもそも「加害者は殺人をおかした。ゆえに加害者も死すべき」という考え方は時代の流れにより、既に古いものとなっているのやもしれませぬ。特に現代では「基本的人権の尊重」というものが叫ばれていますから、そうした時世に沿うためにも慎重に死刑判決を下す必要があるのでしょう。

 その基準として活用されているのが、この永山基準。数点のポイントを抑え、それらにどの程度該当しているのか、また程度としていかに残虐であったり、被害が大きいものであるかをまとめたものが永山基準となるようです。

 

 

 

死刑における「憲法36条の解釈」

 死刑制度について調べていく中で気になったワードがあります。それは「憲法36条」です。

e-Gov法令検索「憲法」

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日本国憲法
第三十六条 公務員による拷問及び残虐な刑罰は、絶対にこれを禁ずる。

 ご覧の通り、公務員の刑罰に関する内容です。死刑執行は公務員が行うものですから、この執行そのものが違憲にあたるのではないか、というものです。

 死刑を受刑する側ではなく、執行する側はどうなんだよ、という切り口でございます。新しいでしょ?そうかなぁ。

 

 

 裁判所さんの裁判例情報にて、該当情報がありました。また、検索結果画面にある、全文記載されたデータにはより詳細な情報が掲載されています。

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 死刑そのものは憲法第36条に定める「残虐な刑罰」には該当しない。

 ただし、他の刑罰の場合におけると同様に、その執行の方法等がその時代と環境とにおいて人道上の見地から一般に残虐性を有するものと認められる場合には、勿論これを残虐な刑罰といわねばならぬから、将来若し死刑について火あぶり、はりつけ、さらし首、釜ゆでの刑のごとき残虐な執行方法を定める法律が制定されたとするならば、その法律こそは、まさに憲法第三十六条に違反するものというべきである。

 死刑そのものは違憲ではない、としています。ただし、その執行にあたって方法が残虐的行為であるならば、その方法がアウトのようです。具体的な例として、火あぶり、はりつけ、さらし首、釜ゆでと明記されています。なんだか時代を感じますが、まぁ残虐極まりないですね。勘弁してください。

 

 

死刑の根拠法令

 ところで死刑の根拠法令ってなんぞや?と疑問に思ったため、ついでに。むしろメイン級だよぉ…。

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 例に漏れずe-Govさんより。

第二章 刑
(刑の種類)
 第九条 死刑、懲役、禁錮、罰金、拘留及び科料を主刑とし、没収を付加刑とする。

  ちゃんと刑法で定められています。今更ながら、刑法は初めてみました。捕まる予定がないので。理由が不純か。

 

 あと、おまけとして…

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外患誘致
 第八十一条 外国と通謀して日本国に対し武力を行使させた者は、死刑に処する。 

 なんと死刑しか該当しない罪の条項が。珍しいなぁ、と思いつつも、そもそも「外患誘致」の意味が分からないので調査。

 

 シェアしたくなる法律相談所さんより。

 ここでいう『外国』は日本が承認していない国でもよいとされていますが、領土・国民といった国家としての実質を備えている必要があります。テロ組織は『国家』にはあたりません。

 単に外国に『日本を攻めて欲しい』と伝えても外患誘致罪は成立しません。外国との間で、日本に攻め込む決意をすることに積極的な影響を与えるような合意(通謀)をすることが必要です。

 成立が難しそうです。好き好んで「外患誘致じゃ!」と張り切るバカモノもいないでしょうし、むしろあってたまるか、というお話ですな。

 

 

 

 

 ということで、以上でした。

 死刑、難しいですね。

 

 

 

 

 

 

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