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デマ情報「コロナウィルスにあおさが効く」を調べる

 先月は下旬頃、コロナウィルスに覆われ始めた頃合いに、一つの情報が飛び交っていたのには驚いたものです。

 

 

 中部大学さんのサイトに今回デマとなった情報が公表されていたのですが、「あおさに効くとは言ってない」として記事の取り下げ、削除を行い、あおさが効くという情報は誤解だったということになりました。

 しかし、コロナウィルスが流行し始めた初期にいきなり「効き目あるやもしれない」と早々に公表されたことについて、迅速過ぎて凄い、もう収束へ進むのか!とちょっと浮かれ気味でした。少しは疑いなさいよ、ってお話ですけども。

 

 

なぜ誤解が生まれたのか

 何かしらの根拠があったため、中部大学さんは情報を公表したのは確かです。その根拠がどれほど正確であり事実に近いものであるかによって情報が正しいものであるかが問われるものですが、削除された理由が「効く可能性がある」という、根拠に確実性が欠けているか、もしくは世間が求めている理想を勝手に当てはめられた。そういった経緯によるものです。

 しかし、可能性がある、とした以上は何かしらの成果があったからこそ、そう結論付けたことでしょうから、「手洗いうがい、そしてアルコール消毒」が有効とされている今日現在、他に有効な手段も思い当たらない。ちょっと充てにしてみようかな、と思い調べてみた所存です。効かなければ効かないで別に良いですし、あおさ自体健康に良いものですから、摂取したって私自身にとって不利益はないでしょうし。

 

 

調べた結果として

 調べるにも、情報元となる中部大学さんの該当ページが既に削除されているので他サイトさんの記事を参考に。魚拓やアーカイブは使わない主義。

 

 J-castニュースさんの記事です。

 何度見ても、このコロナウィルスの顕微鏡画像、気色悪いですよね。白黒だからかな。

 

 あおさに含まれるラムナン硫酸を培養したウイルスに接触させたところ、高い抗ウイルス活性を示した

(中略)

 ヒトからヒトに感染するヒトコロナウイルス新型コロナウイルスの構造は類似しており、新型にもラムナン硫酸の効果があると期待している

(中略)

 実験ではヒトコロナウイルスではなく、「エンベロープRNAを持つ」A型インフルエンザウイルスを代わりに使い、感染したマウスにラムナン硫酸を与えた。すると、3日後にウイルス量が半減し、7日後には抗体が約1.5倍に増えた

  と、当時の中部大学さん発表内容がまとめられています。ふむ、公表するに至った根拠としては、「ヒトコロナウィルスに近いと思われる構造を持ったA型インフルエンザを代わりに使用した」実験において、ウィルス量が減った結果が出たことでしょうか。

 なるほど、根拠と言えば根拠でしょう。いや、むしろこれコロナウィルスではなくA型インフルエンザに対する発表のほうが良いんじゃないかと。それはそれで有用な情報だと思うのだけども。

 

 が、しかし

 前述の渡邊氏(上本町わたなべクリニック(大阪市)院長)は「そもそも人のインフルエンザは、マウスの自然宿主ではないこと、ラムナン硫酸の投与量が書かれていないこと、抗体が多くできているというがどれくらいの規模で研究がおこなわれたのかが不明なため、この研究自身の信ぴょう性はわかりません」

 とお医者さんがバッサリ。

 「自然宿主ではない」というのは「マウスがインフル掛かるわけない」ということでしょうかね。この辺りはよく分かりませんが、なんとなく「掛かるはずのない病気を患わせて治療させるのは正当な結果が出ない」という意味だと受け止めておきます。そして立て続けに「投与量が不明」、「抗体の規模が不明」、とどめの「研究自身の信憑性が分からない」と結論付けられております。

 要するに「信ぴょう性が不明」。あらまー。

 

 ということは、そもそもA型インフルエンザに対しての効能も「信ぴょう性が不明」ということでしょうね。あれま。

 

 

たぶん「良心」、でも「疑心」

 今回の「あおさがコロナウィルスに効くかもよ!」という情報は「信ぴょう性が不明」で結論付けられました。この発表をした中部大学さんの意図が何だったのか。

 理想的な姿勢としては「いち早くコロナウィルスを収束させたかったから、少しでも有益な情報を公表しよう!」という良心に従ったものであります。デマと呼ばれる「信ぴょう性が不明」な情報を流される方々の中には、全員が悪気によるものではなく、「誰かを助けたい」、「有益な情報を共有したい」といった良心による行動であると思います。

 

 しかし、何か引っかかります。

 研究は、同大の河原敏男教授(生命健康科学部)、林京子客員教授(工学研究科)とともに、アオサから抽出したラムナン硫酸を使った健康食品を販売する「江南化工」、ラムナンを研究する「ラムナン研究所」が関わる。林氏はラムナン研究所の学術委員も務める。

 

 

 …気のせいですね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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