私道封鎖で通行料徴収...これって正当なの?
どこもかしこも道路があるのは当たり前で、それでいて舗装されているという恵まれた環境は当然と考えたほうが良いのでしょうか。市道、都道府県道、国道。いずれもほぼ無料で通行出来ますよね。国道はさすがに綺麗に整備されているところが多いのですが、都道府県道や市道は主要路線を重点的に整備している印象を受けます。まぁ、普通はそうですよね。
高速道路は通行料が発生することもあって、しっかりしています。もちろん、一般道とは違って高速で通行するのが目的な道路ですから、より丹念に整備されています。冬場の除排雪も然りです。まぁ、有料ですし普通ですよね。
じゃあ私道はどうなのか。私道...あまり聞き慣れない言葉ですけども、要するに個人や団体が管理している私有道路です。この私道について、昨年メディアにも取り上げられた問題があったので、ちょっぴり掘り下げてみます。ちょっぴり、です。
長崎市青山町の団地内私道問題
私道の所有者である不動産管理業者が、団地内にある私道を利用する場合は月額数千円、一万円程度を支払うように住民へ求めたとのこと。「道路は弊社のものであるため、通行料を払いなさい」と。もちろん、団地内にあるものですから、実質的に団地内全世帯である100世帯以上が対象となったとか。ふむ、まぁ管理費とかかかるから、当然ですよね。
長崎新聞さんの記事です。
しかし住民側は応じず、業者は今月1日から一般車両の通行を禁止し「不法に侵入すれば法的対応を取る」などと通告していた。タクシーやごみ収集車なども通らないよう求めている。
所有者が変わった後に、こうした通行料云々のお話が出始めたとのことで、これまで無料だったんでしょうかね。とりあえず、住民側は記事の通り反対したのだそうです。まぁ、通行料払うとか正直嫌ですものね。しかも生活上不可欠な道路ですもの。
その後、なんやかんやバリケードなどで道路封鎖された挙げ句、住民の一部が裁判所へ仮処分の申し立てを行い、封鎖は解除されたとのこと。
朝日新聞さんの記事です。
約1カ月半にわたる封鎖は解かれたが、業者側は「通行できるのは仮処分を申し立てた住民7人のみ」と主張
まぁ、正当な手続きを行っていない方々へは通行させたくない、というのは確かに理解出来ますよね。その後どうなるのかは不明ですけども。
ヤフー不動産さんのページです。
質問:位置指定道路ならば徒歩、自転車通行は無償通行でなければならないのでは?また維持管理費として月額1万円は妥当なの?
位置指定道路がよく分からんので調べてみました。
REガーデンさんの記事です。
都市計画法等による開発許可で築造される道路ではなく、政令で定める基準に適合した道路で、特定行政庁から位置の指定を受けたものをいい、位置指定道路と呼ばれます。
(中略)
私道であっても位置指定を受けると、私道の変更や廃止は制限され、所有者の自由にすることはできません。
また、一般の通行は認めないといけませんが、道路所有者による取り決めで自動車の通行を制限すること等が建築基準法上は許されます。
...と...私道であっても「ここは大事な道路だね」と特定行政庁から指定受けちゃうこともあると。その場合は通行を認めないといけないから、封鎖しちゃいかんでしょ?というのが先述の質問の意味ですな。取り決めで制限出来るようですから、その辺どうなのでしょうか。
先程のヤフーさんに戻ります。
ベストアンサー:
・車の所有していない世帯:3000円/月
・バイク所有世帯:5000円/月
・車の所有世帯:1万円/月
・車2台所有世帯:1万3000円/月・・・駅まで4kmという立地条件ならば、同じく「私有地」を活用する月極駐車料金でいうならば、1万円は普通か普通以下の料金設定。
(中略)
おまけに、車が2台なら倍の2万円ではなく、30%増の1万3000円の設定にしている部分については、悪どさは感じない。かえって良心的なほどである。
な、なるほど...。報道で駅チカだなんて報道されてましたっけ?記事内でご指摘されている通り(引用はしませんけども)、メディア側の印象操作もあるのでしょうかね。
また、同じく回答内でご指摘あった内容としては「(諸々の理由で)市が受け取り拒否した道路」とのこと。裏を返せば、それだけ修繕費なんぞがかかる、ということでしょうかね。もちろん道幅とかのサイズにもよるのだろうけども。じゃあ修繕費としてでも通行料は必要なものじゃあないのかな。
結論として、通りたければ払えば良いし、払いたくないなら引っ越せばいい。そんな感じでしょうか。これまでの慣例は、所有者が変わっている以上通用しないでしょうし(たぶん)。
法律的にも、先の引用通りなら請求自体は禁則事項ではないでしょうし(通行人に求めるのは出来ないとしても、車両分として請求は出来るぽいですし)、まぁこの先請求出来る、される、と考えたほうが無難なのでしょうね。